今回は著者本田健さんの『大富豪からの手紙』を読んだので、学んだことを記録します。
日々仕事に取り組む中で、年収を上げたい、キャリアアップしたい、30代には何らかの実績を残したい。そんな思いを抱きながら日々過ごしていますが、成功している人はどういった視点で日々過ごしているのか?そんな疑問に答える1つの答えがありました。
仕事で成功して、ある程度の資産を築ける人とは
どの階層で選択するか
私たちは、日々選択しています。朝起きたらご飯を食べるか、何時まで働くか、といった日常のささいなことから、結婚するか、家を買うかといった大きなことまで意思決定をしています。
ただ、重要なのは、その選択肢は現状の平面上にあるのか、それとも下にあるのか、上にあるのかを分かっているかどうかです。何かを選択するときに「平面の上で、右へ行くか左へ行くか」という決断ではなく、「1つ上の階層から見て、その意識で決断できるかどうか」が重要だそうです。
なぜなら、成功している人は、1つ上の階層から決断し、人生のステージを変えるジャンプを繰り返し経験しているからです。つまり、仕事で成功して、ある程度の資産を築ける人は、「視座の高さ」が異なるのです。
特に重要なのは「最高の未来はいつも今の意識の外にある。」ということです。そのため、不安を理由にやらないことは、最高の未来を手放していることになります。
さて、実際に1つ上の階層から見るにはどうしたらいいのか。ここからは私の考えですが、簡単な例でいうと、普通に働いている一般社員が、リーダーと思って仕事をするのか、1人のメンバーとして仕事をするのでは、日々の仕事に対する姿勢や意欲が異なってくると思います。
また、人生を前倒しで生きていくとしたらどうでしょうか。例えば、自分の年齢に+3歳とすると、焦りを感じることはないでしょうか。少なくとも、今の自分の年齢に+3歳とすると、仕事での成果や社会人としての未熟さに焦りを感じます。ただ、そんなふうに考えると、今取り組むべきことがより見えてくるのではないでしょうか。そうやって、視座を高くして、先を見ていくことが、人生のステージを変えるジャンプにつながっていくのだと思います。
当然、不安を抱えながら挑戦をしたときに、失敗することもあります。ただこの失敗を肯定的にとらえられるメッセージがこの本にはありました。それは「失敗の数だけ、老後の楽しい思い出が増える」ということです。失敗というのは、その時はつらく気落ちするものですが、長い目で見れば自分の財産となり、糧となるのでしょう。だからこそ、今できることは挑戦し続けようと思える本でした。
ただ、成功したことが幸せに結びつくとは限りません。成功とは何かを目指した結果、何かを得たり、成し遂げた状態を指しているかと思いますが、それは幸せに必要な要素ではないからです。本書では幸せとは何なのかについても説明しています。
獲得したり、つかみ取るものではない「幸せ」とは
世間一般の幸せについて
一般的には、良い仕事を得たり、大きな家を所有したり、たくさんのお金を持っていることが幸せととらえられることが多いです。他人より贅沢な暮らしや、豪華な旅行がより幸福に感じられるのでしょう。それが手に入れば幸せだし、逆にそれが手に入らなければ不幸だと信じられています。ただ、そのような欲しいものをすべて手に入れられる人は、いったい世の中にどれくらいいるのかというと、ほとんどいないのが実情です。
誰かよりもより多くの富を得ていることが幸せととらえた場合、例えばお金や時間がないから旅行は日帰りのみや所有している車は10年前の中古車のみだと、すぐに不満だらけになってしまいます。
このように少しでも理想とかけ離れていると、不幸になってしまい、幸せになることがすごく難しく感じます。
しかしながら、この例は先進国が陥っている状況であり、幸福度の高いブータンの人はなぜ幸せなのでしょうか。
ブータンという国について
ブータンという国は、心から国民の幸せを願う「王様」に恵まれているそうです。学校教育や医療のすべてが無料で提供されており、住む土地も無料でもらえる場合があります。
また、仏教を信仰している国で、生き物の殺生が禁止されています。そのため、道を歩く牛や犬、魚でさえも食べられる心配がなく、安心して暮らせるそうです。それゆえに未来に対する不安がないというのが、ブータンの国の特徴です。
ブータンの人々は、現状に不安や不満を持つわけではなく、淡々と同じような日々を平和に過ごしているのです。先進国のように入ってくる情報や物は限られているので、過度な物欲や刺激がなく、その状態に、国民がとても満足して、幸せを感じているのです。
つまり、幸せとは「現状にどれだけ満足しているか」ということです。そういう意味では、ブータンの人々の生活は、今の情谷に満足しやすいのでしょう。ただ、淡々と続くような日々の連続を先進国の人々が「幸せ」と感じられるかは疑問が残ります。それくらい、今の先進国は「過度な刺激」にしか幸せを感じられないように、社会全体が仕組まれているのです。「足るを知る」を知らず、資本主義のもと経済成長を追い求め続けるがゆえに幸せを感じにくい社会が築かれているのでしょう。
ブータンから学べることは、幸せになるのに、お金や物は必要ないということです。幸せは獲得したり、つかみ取るものではなく、感じるものです。ブータンという国は、成長するのをやめたのと引き換えに幸せを手に入れたのです。
日本に置き換えると
一方で日本はどうでしょうか。日本では成長することが大事だと教わってきましたし、私もそれが大事だと妄信していました。ただ、今の先進国のように成長を優先した結果、人生は複雑になり、人生100年時代という名のもと、より長いキャリアを見て生きていかなければならなくなりました。その結果、一握りの勝ち組と呼ばれる人々と、大多数の負け組と呼ばれる人々も生まれています。さらに、これ以上経済が成長するのも限界に達しつつあります。
もし、経済成長ゆえに、このような状況に陥っているとしたら?みなが世の中に不平不満を言って、不幸になっている状況があるとしたら、単純に「成長がいい」とは言えない事実があります。もちろん、どちらがいいということはなく、どちらも正しく、どちらでもいいのです。お互いに認め合うことが、両方が成立するためには不可欠なのでしょう。
これを知った時に、私のこれまでの価値観がより広がりました。これまでは、20代のうちは成長一択でしたが、平穏に過ごす日々というのも大切にすべきものだということを認識しました。家族や子供ができたときには、何気ない日常に幸せを感じ、現状維持が悪いことではないということなのでしょう。
知識として知っていても、自分はそれを強く大事にはしていなかったので、ここに記録しておきます。
まとめ
今回は『大富豪からの手紙』という本について書きました。
今回学んだことは次の3点です。
- 成功を収めるために大事なのは「視座の高さ」
- 成功することは幸せとは結び付かないこと
- 成長することが必ずしも正とは限らず、富がなくても幸せを感じることができるということ。
皆さんも是非読んでみてください。