今回、プロボノ活動でジグソー法を用いたキャリア教育を行ったところ、好評だったので記していきます。
結果としては、
「楽しかった!」や「ヒアリングした内容を伝えるという形で自分の意見ではないところから発言を出来るので、グループワークでの発言がしやすくなった」という感想があり、ジグソー法を用いたやり方は、責任感や主体性を引き出すうえでは、非常に効果的であることを実感しました。
そこで今回「ジグソー法とは何か」と「なぜ効果的なのか」をまとめてみました。
ジグソー法とは
ジグソー法とは、アメリカの社会心理学者であるエリオット・アロンソンが提唱しました。学習者同士の協力や教えあいを促進し、そこから学びを得るという共同学習の1つになります。
主に3つのステップで構成されます。
【第1ステップ:ホームグループ】
参加している人たちがそれぞれ所属するグループを表しています。各グループ2~4人で構成し、均等に分けます。そのあと、今回の学習における課題や進め方を公表します。
【第2ステップ:エキスパート活動】
第1ステップで作成したグループを異なるグループに分けて、メンバーそれぞれに異なる学習をしてもらいます。ホームグループの中で役割分担を行い、どの内容を学ぶかをそれぞれ決めます。この2段階目のグループでは、課題を解決するために必要な情報や知識を伝え、それぞれのグループで伝えられている内容は異なります。こうすることで、最初のグループに戻った時のメンバーが持っている情報に重複がなく排他的になっています。必然的に、お互いの情報を伝えることになり、コミュニケーションが促されるのです。
【第3ステップ:ジグソー活動】
第2ステップで、インプットを終えたら、第1ステップのグループに戻ります。先ほども述べたように、課題を解決するためには、それぞれのメンバーがエキスパートグループで学習してきた内容を発表する必要があるため、コミュニケーションをとるようになります。
さらに、グループの中で情報を共有出来たら、そこからどのようにしたら解決できるかの議論が始まります。それぞれが持っている情報を組み合わせることでシナジーが生まれていきます。
ジグソー法がなぜ共同学習に効果的なのか
ここからは私の考えですが、主に下記の理由が挙げられると思います。
- タスクを自分1人に任されることで、当事者意識が芽生え、責任感が生まれる。
- 自分が持っている情報を伝えるため、必然とコミュニケーションが生まれる。
- 能力に関係なく、グループの中での参入を促すため、貢献感が高まる。
- 課題を解決するために、自ずと協働関係が生まれる。
1.タスクを自分1人に任されることで、当事者意識が芽生え、責任感が生まれる。
グループで活動するときの一番よく出る問題は、フリーライダーがでて、タスクの偏りが生じることだと思います。やらなくても、誰かがやってくれると人はさぼる傾向にあるため、お互いに不満を持ちやすい状況になるかと思います。インプットを個人に任せることで、さぼるとばれてしまうので、必然的にやらざるを得ない状況が生まれ、責任感が発揮されます。ここから言えるのは、グループで動いたとしても、すべてをグループでやる必要はなく、個人ワークとグループワーク、またはペアワークを組み合わせて協働することが、よりグループダイナミズムを生み出しやすいことでしょう。
2.自分が持っている情報を伝えるため、必然とコミュニケーションが生まれる。
グループになったとしても、個人で取り組むことが多く、必ずしも協働が促されない場合があります。しかし、ジグソー法の場合、それぞれがインプットしている情報は異なるため、お互いが持っている情報を伝達しあう必要があります。そうすると、共有のためのコミュニケーションが生まれ、知識のかさ上げ(プロセスゲイン)が生まれます。
4.能力に関係なく、グループの中での参入を促すため、貢献感が高まる。
グループワークとなると、頭のいい人や、よく話す人が主導権を握ることが多く、あまり前に出ないタイプの人は、話さない傾向にあります。それゆえに、相手との能力にギャップを感じ、自分がいることや継続して参加していくことにネガティブになっていくことでしょう。そういった状況を解消するうえでも、3でコミュニケーションをとることで、グループとしての居場所が見つかっていくかと思います。何かしらのアプローチをメンバーにすることで、貢献感を得られ、継続してグループワークに参加できるようになるかと思います。
まとめ
今回は初めてアクティブラーニングにおけるフレームワークを記事にしました。
これからもアクティブラーニングや他のフレームワークについて学んだときは記していこうと思います。